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【京都の社労士コラム】年末調整の書き方解説とポイント<動画解説>

2022年11月10日

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A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金など の新着ニュースをお届けしてまいります。

本日は「年末調整」についてです。

企業が給与を支払うときに、従業員の給与や賞与から所得税を徴収することを、源泉徴収といいます。しかし、毎月徴収している所得税の額はあくまで概算の金額で、年末調整で初めて税額が確定します。年末に本来徴収すべき所得税の一年間の総額を再計算し、既に源泉徴収している合計額と比較し、過不足金額を調整することが年末調整です。    

今回は、今年の年末調整のポイントと併せて令和5年の税制改正で押さえておくべき内容をまとめました。

令和4年分の年末調整について

令和4年9月22日、 国税庁より「令和4年分年末調整のための各種様式等」が発表されました。令和4年分年末調整の各種様式については変更はありません。

年末調整に必要な書類の書き方について動画で解説します。
<画像をクリックすると動画を視聴できます。> 約12分


令和4年分年末調整のポイント(昨年からの変更点)

1 控除証明書の電子データ提出の適用範囲が拡大
令和4年4月の税法改正で、新たに「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の控除証明についても電子データでの提出が可能になりました。
【電子データ提出が可能な証明書】
・生命保険、地震保険などの控除証明書
・住宅ローン控除証明書
社会保険料控除証明書
小規模企業共済等掛金控除証明(払込証明書)

2 源泉徴収票の未成年者欄の「〇」は、18歳以下へ
民法改正により、令和4年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。令和4年分給与所得の源泉徴収票の「未成年者」欄は、従業員が平成17年1月3日以降に生まれた方の場合に「〇」を付けてください。
(出典)国税庁「給与所得の源泉徴収票(令和4年分以降用)」

3 令和3年度税制改正による住宅ローン控除の期間延長の適用対象者の確認
消費税率の引き上げや新型コロナウイルス感染対策により、住宅に対する税制上の支援措置として創設された「控除期間13年の特例措置」について、さらに期間延長されることになりました。期間延長の適用となる住宅ローン控除を受ける従業員については、今年の年末調整にて、期間延長の対象となる可能性がありますのでご確認ください。

【期間延長の適用となる対象者】
 以下の契約期限および入居期限を満たす場合となります。
 
・契約期限
  注文住宅:2020年10月~2021年9月分
  分譲住宅等:2020年12月〜2021年11月
 
・入居期限
  2021年1月1日〜2022年12月31日

(出典)財務省「令和3年度税制改正」

年末調整の対象となる人

年末調整の対象となる人は、年末調整を行う日までに「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人です。年末調整には、12月に行う年末調整と年の途中で行う年末調整の2種類があります。  
 
【12月に行う年末調整の対象者】
対象者は、企業に1年を通じて勤務している人や、年の途中で就職して年末まで勤務している人です。 ただし、以下のいずれかに当てはまる人は除きます。
・その年の給与収入が2,000万円を超える人
・震災や火災などの災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得
 および復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人

・2か所以上から給与の支払を受けている人で、自社以外へ扶養控除等(異動)
 申告書を提出している人

・年末調整を行うときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない人

【年の途中で行う年末調整の対象者】
対象者は、以下のいずれかに当てはまる人です。
・海外支店等に転勤したことにより非居住者となった人
・死亡によって退職した人
・著しい心身の障害のために退職した人(退職した年に再就職し、給与の支払
 を受ける見込みのある人は除きます。)

・12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
・パートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職した年に再就職し、給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)


令和5年分年末調整で変更が予定されている内容

令和5年分年末調整で予定されている変更内容で、令和5年1月1日以降適用になる内容もあります。令和4年分年末調整を行う際に、あわせて確認されることをおすすめいたします。

1住宅借入金等控除の適用期限延長等
住宅借入金等控除の適用期限が令和3年12月31日より4年延長され、令和7年12月31日までとされました。この改正に伴い、令和4年から令和7年までの期間に入居した場合の各種要件が変更となりました。   
 
① 住宅借入金などの年末残高の限度額、控除率および控除期間が住宅の種類などに応じて変更
令和4年から令和7年までの間に入居した場合の住宅借入金などの年末残高の限度額、控除率および控除期間が住宅の種類などに応じて変更されました。


(出典)国税庁サイト『住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)』

② 適用対象者の所得要件が2,000万円以下に引き下げ
 住宅借入金等控除適用の所得要件は、その年の合計所得金額が3,000万円以下でしたが、今回の改正により2,000万円以下へ引き下げられました。  

③ 新築住宅床面積が40㎡以上50㎡未満である場合の要件変更
令和3年1月1日から令和4年12月31日の期間で適用とされていましたが、令和5年12月31日以前に建築確認を受けた住宅の取得においても適用とされました。控除できる期間のうち、合計所得金額が1,000万円を超える年については適用されません。

④ 借入金残高証明書の添付が不要に
令和5年1月1日以降に取得した住宅については、年末調整の際に借入金残高証明書を添付することが不要とされました。  令和6年1月1日以降に提出する「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」について適用となりますので、令和5年分の年末調整については従来通りの提出となります。

2非居住者である扶養親族にかかる扶養控除に関する適用の変更
 
令和2年度の税制改正により、令和5年1月1日以降、扶養控除の対象となる扶養親族の範囲から、30歳以上70歳未満の国外に居住する非居住者について除外されます。ただし、一定の要件に該当する場合は今まで通り扶養控除の対象になります。  

【一定の要件とは】
① 留学により国内に住所および居所をしなくなった者
② 障害者
③ 扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費または 教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者

(出典)国税庁『源泉所得税の改正のあらまし(令和4年4月)』

【添付書類】
【一定の要件】のうち①・③に該当する場合は証明するための確認書類の添付が必要です。

(出典)国税庁『源泉所得税の改正のあらまし(令和4年4月)』

おわりに

年々、年末調整申告書の書き方が複雑になってきています。申告書を配布する際に、書き方ガイドを添えることで、書き方についての問い合わせや誤りが減り、年末調整担当者の負担も減りますので、ご活用いただければと思います。
参考・ダウンロード|『令和4年分 年末調整書き方ガイド』
参考・ダウンロード|『住宅借入金等特別控除申告書書き方ガイド』

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