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【京都の社労士コラム】従業員の健康診断は会社の義務!「知っておきたい基礎知識!」

2024年03月28日

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A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。


 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

 今回のテーマは、従業員の健康診断は会社の義務!「知っておきたい基礎知識!」についてお送りいたします。


 近年では、30代40代生活習慣病を指摘される人が増えています。生活習慣病の初期は、目立った自覚症状が出てきません。従業員の健康上の問題を早期に発見するためにも、定期健康診断を受ける必要があります。

 従業員の中には、自分はまだ大丈夫。」「健康に不安を感じたことがない。など、健康診断を受ける必要がないと考える人もいます。そのような従業員に対しては、健康診断の意味必要性を丁寧に説明する必要があります。

 従業員に健康診断をしっかり受診してもらうためにも、最低知っておくべき健康診断について解説いたします。 

健康診断実施の法律と罰則

 健康診断は、労働安全衛生法により定められている会社の義務です。会社は従業員を健康な状態で働かせるという安全配慮義務があるからです。

 健康診断の実施は、従業員の人数や会社の規模で決まるものではありません。たとえ従業員が1人でも1年以内ごとに定期的に健康診断を実施することが法令で義務づけられており、その費用は、会社が負担する必要があります。

 労働安全衛生法(安衛法120条1項)では、従業員に健康診断を受診させていない会社に対して、50万円以下の罰金を科しています。

実施が義務付けられている健康診断の種類

 会社が実施する健康診断は、大きく分けると職種に関係なく従業員を対象とした一般健康診断1年内ごとに1回、有害な業務に従事し携わる従業員に対する特殊健康診断6か月ごとに1回があります。

一般健康診断

特殊健康診断

 法定の有害な業務に従事する従業員に対して行う特別な健康診断です。高気圧業務電離放射線業務特定化学物質業務石綿業務鉛業務四アルキル鉛業務有機溶剤業務などがそれにあたります。

出典:厚生労働省
 「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」

知っておきたい定期健康診断の検査項目

 法律で定める定期的に行う一般健康診断では、次の検査項目があります。

一般健康診断の項目



出典:厚生労働省
 「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」 

 なお、定期健康診断の項目の※印については、年齢や医師の判断など、それぞれの基準により省略可能な項目です。ただし、省略可能であるかどうかは、医師が自覚症状や他覚症状、既往歴などを見て総合的に判断するものです。医師ではないものが健康診断の項目の省略を判断することはできませんので、産業医または健康診断機関に相談することが必要です。

 雇入れの直前または直後に実施する雇入れ時の健康診断(労働安全衛生規則第43条)は、一般健康診断とほぼ同じ検査項目ですが、検査項目の省略は認められません。

健康診断は、非正規雇用労働者
(有期雇用労働者・パートタイム労働者)も必要か?

 一般健康診断の場合、実質的に正規従業員とほとんど変わらない時間働くのであれば、正規従業員と同じレベルの健康管理をする必要があります。

 労働安全衛生法で、パートタイム労働者などの短時間しか働かない従業員でも、正規従業員4分の3以上働く人には、一般定期健康診断を受診させることを義務付けています。(労働安全衛生法66条1項)

 派遣社員の場合は、一般健康診断は派遣会社(派遣元)が派遣社員の一般定期健康診断を実施することが義務付けられています。ただし、有害業務に派遣社員をつかせている場合は、派遣先が実施義務を負います。(労働者派遣法45条)

健康診断実施後の義務

 従業員に健康診断を受けさせたら、それで終了ではありません。その後のフォローも重要な仕事のひとつであり、法律上の決まりがあります。

健康診断結果の通知義務

 事業者は、受診者全員に所見の有無に関わらず健康診断の結果を文書で通知する義務があります。健診の結果、問題のない人にもきちんと通知することが必要です。

健康診断個人票の保存(5年間)

 健康診断の結果は、その結果に基づき健康診断個人票を作成し、5年保存しなければならないと定められています。

 また、常時使用する従業員が50人以上いる会社事業場単位は、定期健康診断結果報告書労働基準監督署へ提出する義務があります。なお、健康診断の結果や保健指導の内容など健康に関する情報は、いずれも配慮すべき個人情報です。個人情報の管理や保存には細心の注意が必要です。

参考:定期健康診断結果報告書(様式第6号)の記入方法

結果について医師からの意見聴取の実施

 健康診断の結果、もし要所見」「要再検査など、異常が見つかった従業員がいれば、会社は従業員の健康保持のために必要な措置(就業上の配慮事項など)について産業医医師)から意見を聴取しなければなりません。

 従業員が就業を続けることが可能かどうか、産業医(医師)が判断することを、就業判定と言います。定期健康診断後には、必ず産業医(医師)による、就業判定の実施が欠かせません。

事後措置の実施

 医師などの就労判定に従って、労働時間の短縮時間外労働の制限出張回数の制限労働負荷の制限就業場所や部署の変更夜勤業務の減少など、会社は必要に応じて適切な措置を講じなければなりません。

二次健康診断の受診勧奨、保健指導

 健康診断の結果によって、再検査が必要な場合は、従業員は再検査二次健康診断)を受けなければなりません。会社は、従業員に対して再検査を受けるように促す必要があります。

 労働安全衛生法では、二次健康診断の受診勧奨は会社の努力義務として定められています。さらに、従業員の健康状態を保つためには、医師保健師衛生管理者の健康診断後に保健指導を実施していきましょう。

出典:厚生労働省 労災保険二次健康診断等給付

まとめ
                                     
 従業員の健康に配慮し健康管理を徹底して行うことは、休職者離職者の減少につながり生産性をあげます。また、従業員の健康に配慮し、よりよい職場環境をつくることで従業員のモチベーションも高まります。

 会社のパフォーマンスを上げていくためにも、健康診断を適切に行い、従業員の健康管理を徹底して行いましょう。

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