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【京都の社労士コラム】労働時間の自由度を広げる一手!1年単位の変形労働時間制の導入メリット

2023年05月25日

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 A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

今回のテーマは1年単位の変形労働時間制!!

労働時間の自由度を広げ、働き方の柔軟性を実現するために
注目されている制度が、この「1年単位の変形労働時間制」です。

この制度は従業員の働き方に大きな変化をもたらし、
企業と従業員双方に多くのメリットをもたらすものとなっています。

本メルマガでは、1年単位の変形労働時間制を解説し、
その仕組み導入メリット導入手順について詳しくご説明します。

ぜひ最後までお読みください!
 
1年単位の変形労働時間制ってなに?

変形労働時間制とは

事業所の繁忙期閑散期がある程度決まっている場合、
労働時間を週単位・月単位・年単位で調整することで
柔軟に働けるようにする勤務時間制度のことです。

労働基準法において、
労働時間は「1日8時間・週40時間」が原則となっており、
これを超えると時間外労働(残業)となります。

とはいえ、繁忙期にはやるべき仕事が集中してしまい、
勤務が1日8時間を超えてしまうケースも出てきます。

ただし1年単位の変形労働時間制を採用することで、
一定の要件を満たす必要はあるものの

1カ月を超え1年以内の期間(以下“対象期間”)で
労働時間の調整ができます。


具体的には

以下の要件を満たす場合に、特定の日について
1日の労働時間が8時間を超えたり、
特定の週に40時間(特例措置対象事業場も同じ)を超えたりすること
が認められます。


point
①対象期間が1カ月を超え1年以内

②対象期間の1週間の平均労働時間が40時間を超えない

③労働時間が1日10時間1週52時間以内

④1年当たりの労働日数の限度は280日

⑤連続して労働させる日は連続6日が上限

⑥対象期間の労働日労働日ごとの労働時間を特定する

 更に詳細な要件は以下を確認
 ⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
 厚生労働省「1年単位の変形労働時間制導入の手引き」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501874.pdf


1年単位の変形労働時間制に適した業種と職種

1年単位の変形労働時間制

需要のピーク時や特定の期間において、
労働力を必要なだけ配置することができます。

そのため、需要の変動特定のプロジェクトに応じて、
労働時間を調整する柔軟性が求められる業種と職種では
効率的な人員管理が可能となります。

具体的には
⇩⇩⇩⇩⇩

【職種】
・シフト制の業務
・プロジェクトベースの仕事
・季節労働
・製造業のライン作業    など

【業種】
レストラン業: ウェイター/ウェイトレスキッチンスタッフシェフ
 ホテル業 :フロントデスクスタッフベルボーイ客室清掃スタッフ
 小売業   :販売員レジスタッフ商品陳列スタッフ
 製造業   :組み立て工検査スタッフ生産管理スタッフ
 医療業   :看護師医療事務薬剤師            など


企業と労働者のメリット

【企業のメリット】

           
   メリット① 労働力の効率的な配置
1年単位の変形労働時間制では、
需要の変動に合わせて労働時間を調整できます。

例えば、事前に需要が低い時期には労働時間を減らし
需要が高まる時期には労働時間を増やす設定が可能となります。

これにより、生産性を最大化するために
必要な労働力を適切に配分することができます。
 
   メリット② コスト削減効果
繁忙期、閑散期のある業界・職種の場合は
残業時間、残業代を抑える効果が期待できます。

「閑散期の労働時間を短くする代わりに、繁忙期の労働時間を長くする」といった調整が可能となり、

これにより、繁忙期に1日8時間・週40時間以上勤務したとしても残業にならなくなります。

   メリット③ 柔軟な対応能力
1年単位の変形労働時間制は、
急な需要変動や特別な業務の発生にも柔軟に対応できます

例えば、労使協定で対象期間を1カ月以上ごとに区分している場合、
需要が急増したときは、
次の期間の労働時間を増やして迅速に対応することができます。

逆に需要が低下したときは
次の期間の労働時間を減らすことで過剰な労働力を抑えることができます。


【 労働者のメリット】


   メリット① メリハリのある働き方ができる
1年単位の変形労働時間制は、
需要が低い時期余裕をもって働き

需要が高い時期には、その分、集中して働くため
メリハリのある働き方ができます。

「やることがないのに会社にいなければならない」といった
無駄なストレスからも解放されます。

   メリット② 個人の都合への対応
1年単位の変形労働時間制は、
従業員のワークライフバランスの向上に寄与します。

一定期間に集中して働く
ということは、
余裕のある時期は集中して休むことができます。
年中残業があるわけではないため、
長期的な残業のストレスをため込む心配もなくなります。


また、閑散期には連続した休暇も取りやすくなり、
家族と過ごす時間や、趣味に費やす時間も作りやすくなります。

労働時間の柔軟性により、
仕事とプライベートの両方を充実させることが可能です。


 (参考)厚生労働省「1年単位の変形労働時間制」
https://www.mhlw.go.jp/content/001021908.pdf
(参考)厚生労働省「1年単位の変形労働時間制導入の手引き」https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501874.pdf


1年単位の変形労働時間制の導入手順

会社が1年単位の変形労働時間制を導入する場合の手続として、

変形労働時間制について「就業規則」に定めるとともに、
会社と従業員の過半数代表者との間で「労使協定」を締結し、

その労使協定を労働基準監督署に届け出る必要があります。

    以下では、1年単位の変形労働時間制を導入するため
                        手順注意点を説明します。

     ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩  ⇩  ⇩ ⇩ ⇩ ⇩

手順①:1カ月を超え1年以内の変形させる対象期間を決める

point
対象期間を決める際に、事業形態
1年単位の変形労働時間制に向いているかどうか改めて判断しよう。


手順②:労働日と労働時間を決める

1年単位の変形労働時間制では
「対象期間のすべての労働日と労働時間を決める場合」と、 

「対象期間中の対象期間を1カ月以上の期間に区分して、
 各月の労働日と労働時間を決める場合」の2パターンあり

それぞれで労使協定で定める事項が異なります。

労使協定で対象期間中のすべての労働日と労働時間を定める場合     
対象期間を平均して、1週間の労働時間が40時間を超えないように
対象期間内の各日各週の所定労働時間を決める必要があります。

労使協定で対象期間を1カ月以上の期間に区分して、
各月の労働日と労働時間を定める場合
(最初の期間)労働日」「労働日ごとの労働時間」を決める

(その他の期間)
各期間における労働日数
        「各期間における総労働時間」を決める

point
対象期間の「労働日数」「連続労働日数」「労働時間」にそれぞれ制限があるため、労働日と労働時間を決める上で注意が必要。


手順③:労使協定を締結する

変形労働制の導入には労使協定を結ぶ必要があります。

従業員の労働時間に関わるからですが、1年単位の変形労働時間制の採用を行う際には、労使協定において、以下の事項を定める必要があります。

・対象となる労働者の範囲
対象期間
特定期間(対象期間中の特に繁忙な期間)
労働日労働時間
・労使協定の有効期間


手順④:就業規則に年単位の協定を規定する

point
原則、就業規則では、
変形期間と各日・各週の所定労働時間・始業・就業時間を定めなければならないが、

労使協定も就業規則と同様に労働者への周知対象であるため、

具体的な労働時間の記載等は「労使協定で定めるところによる
と省略してよいと考えられます。


手順⑤:労使協定と就業規則を労働基準監督署に届出する


 (参考)厚生労働省「1年単位の変形労働時間制」
https://www.mhlw.go.jp/content/001021908.pdf
(参考)厚生労働省「1年単位の変形労働時間制導入の手引き」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501874.pdf


まとめ

1年単位の変形労働時間制を導入することで、一定の要件を満たす限り、特定の日において1日の労働時間が8時間を超えたり特定の週に40時間を超えたりすることが認められるため、柔軟な働き方が可能となります。

これにより、従業員の働きやすさワークライフバランスの向上に貢献し、さらには生産性や成果にも良い影響を与えることが期待されます。

とはいえ、全ての会社に最適な制度ではないため、

導入の際は、事前に専門家の意見を聞き、
「自社に合うのか」を検討する必要があります。


1年単位の変形労働時間制を導入したい!

自社に合う働き方が知りたい!     と考えている方は


ぜひ A社会保険労務士法人 にご相談いただき、

より良い働き方へのご提案をさせていただければ幸いです。



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