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【京都の社労士コラム】新年度に向けた採用活動、知らないうちに違法になっていませんか?

2023年01月12日

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 A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

本日は、『職業安定法の改正』についてのご案内です。
※詳しくは職業安定法の改正について(厚労省HP)をご参照ください。
4月に向けた採用活動を計画中の企業も多いかと思います。
昨年10月1日に施行された職業安定法の改正により「労働者募集のルール」が変わりました。
現在行っている求人や、これからの求人についていま一度ご確認ください。


1 求人等に関する情報の的確な表示が義務付けられます


求人企業に対して、①求人情報や②自社に関する情報の的確な表示が義務付けられます。
虚偽の表示・誤解を生じさせる表示はしてはなりません。
 求人情報を正確・最新の内容に保たなければなりません



対象となる手段
様々な広告・連絡手段が的確な表示の義務の対象となります。

新聞・雑誌・その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出・頒布、書面、ファックス、ウェブサイト電子メール・メッセージアプリ・アプリ等、放送(テレビ・ラジオ等)、オンデマンド放送等


正確かつ最新の内容に保つ義務
以下の措置を講じるなど、求人情報を正確・最新の内容に保たなければなりません。

 募集を終了・内容変更したら、速やかに求人情報の提供を終了・内容を変更する。
例:自社の採用ウェブサイト等を速やかに更新する。
 求人メディア等の募集情報等提供事業者を活用している場合は、募集の終了や内容変更を反映するよう速やかに依頼する
 いつの時点の求人情報か明らかにする。
例:募集を開始した時点、内容を変更した時点 等
 求人メディア等の募集情報等提供事業者から、求人情報の訂正・変更を依頼された場合には、速やかに対応する



自社に関する情報
自社に関する情報についても、以下のような表示をしないようにする必要があります。

上場企業でないにも関わらず、上場企業であると表示する。
• 実際の業種と異なる業種を記載する。



虚偽の表示の禁止
以下のような場合は虚偽の表示に該当する場合があります。

・実際に募集を行う企業と別の企業の名前で求人を掲載する。
「正社員」と謳いながら、実際には「アルバイト・パート」の求人であった。
実際の賃金よりも高額な賃金の求人を掲載する。



誤解を生じさせる表示をしないための注意点

虚偽の表示ではなくとも、一般的・客観的に誤解を生じさせるような表示は、「誤解を生じさせる表示」に該当します。例えば以下のような点に留意してください。
また、求人情報の提供の段階でも、労働条件として明示すべき項目をできる限り含めた形で提供することが望ましいものです。



(出典:厚生労働省パンフレット

➀業務内容
職種や業種について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いてはなりません。

× 営業職中心の業務を「事務職」と表示する
× 契約社員の募集を「試用期間中は契約社員」など、正社員の募集であるかのように表示する
× フリーランス(委託)の募集と雇用契約の募集を混同する



➁賃 金
固定残業代を採用する場合に、基礎となる労働時間数等を明示せず、基本給に含めて表示してはなりません。

×【月給】32万円
○【基本給】25万円 【固定残業代】7万円
※時間外労働の有無に関わらず、15時間分支給。15時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給します。


モデル収入例を、必ず支払われる基本給のように表示してはなりません。

×【給与】400万円~【モデル給与】1000万円~
(社内で特に給与が高い労働者の給与を全ての労働者の給与であるかのように例示)
○【給与】400万円~600万円
【モデル給与】555万円
(同職種社員の給与の平均を例示)



③募集者の氏名または名称
優れた実績を持つグループ会社の情報を大きく記載する等、求人企業とグループ企業が混同されるような表示をしてはなりません。

× A社のグループ会社B社の求人を、「A社は高度なITエンジニアのスキルを持った方を必要としています。」と表示

◎法改正以前からの注意点(採用時)
令和4年10月1日以降も、法改正前と同様に、個別の応募者と最初に接触するまでの時点に、労働条件を明示しなければなりません。
労働条件の明示は、求人等に関する情報の的確な表示とは別に行う必要があります。

2 個人情報の取扱いに関するルールが新しくなります


求職者の個人情報を収集する際には、求職者等が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に、個人情報を収集・使用・保管する業務の目的を明らかにしなくてはなりません。


業務の目的の明示

求職者の個人情報を収集する際には、業務の目的を明らかにしなくてはなりません。


業務の目的の達成に必要な範囲内

募集のために必要な範囲で求職者の個人情報を収集・使用・保管する必要があります。


◎法改正以前からの注意点(個人情報の取り扱い)
・業務の目的の達成に必要な範囲内で、求職者の個人情報を収集・使用・保管しなくてはなりません。
• 業務上知り得た人の秘密を漏らしてはなりません。
• 求職者の個人情報をみだりに第三者に提供してはなりません。

法改正についての詳しいパンフレットはこちら



採用以降に活用が見込める助成金

有期雇用や契約社員で採用し要件を満たす形で正社員に転換をされた場合にご提案できる助成金がございます。
・キャリアアップ助成金

高齢の方や障害のある方を採用する場合にもご提案できる助成金がございます。
・特定求職者雇用開発助成金


様々な要件がございますので、ご活用を検討される場合は採用活動を始める前にぜひご相談ください。

まとめ

 A社会保険労務士法人では、労務相談や法改正に対応した就業規則の作成・改定、各種助成金の申請支援などを行っています。
勤怠・労務管理のDX化や社会保険・労働保険手続き、給与計算など様々なサービスを提供していますのでお気軽にご相談ください。

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