A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。
近年、多くの企業で外国人労働者の採用が進んでいます。
人手不足への対応として外国人材の活用が広がる一方で、「言葉が通じない」「ルールが伝わらない」「早期離職してしまう」といった課題を抱える企業も少なくありません。
そこで今回は、令和8年度の「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」についてご紹介します。
外国人労働者が安心して働ける環境づくりを行うことで、職場定着を促進しながら助成金を活用できる制度です。
どんな助成金なのか?
この助成金は、外国人労働者特有の事情に配慮した就労環境整備を行い、職場定着に取り組む事業主を支援する制度です。
対象となるのは、雇用保険被保険者である外国人労働者を雇用している事業主です。
受給要件を満たした場合、1制度につき20万円、最大80万円の助成を受けることができます。
参照 | (パンフレット)人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック
助成金を受給するための主な取組
助成金を受給するためには、次の「必須項目2つ」と「選択項目のいずれか1つ以上」を導入・実施する必要があります。
■必須項目
- 雇用労務責任者の選任
外国人労働者からの相談対応や就労環境整備を担当する責任者を選任します。 さらに、外国人労働者との面談実施や、労働基準監督署等の相談窓口の周知も必要となります。
- 就業規則等の多言語化
就業規則、労働条件通知書、雇用契約書などを外国人労働者が理解できる言語、 または「やさしい日本語」で作成・周知します。
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■選択項目
- 苦情・相談体制の整備
外国人労働者が相談しやすい窓口や体制を整備します。
- 一時帰国のための休暇制度の整備
年次有給休暇とは別に、一時帰国時に利用できる連続5日以上の有給休暇制度を整備します。
- 社内マニュアル・標識類等の多言語化
安全衛生マニュアルや社内掲示物、標識などを多言語化します。
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申請の流れ
助成金は、以下の流れで申請を行います。
1.就労環境整備計画を作成し、事前に労働局へ提出 ※計画期間の初日から6か月前の日から1か月前の日まで
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就労環境整備計画期間
⇩
3.実際に制度を運用・実施 ※2で導入した措置を計画どおりに実施
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5.支給申請を行う ※外国人労働者離職率算定期間(就労環境整備措置の実施日の翌日から6か月間)終了後2か月以内
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特に注意したいのは、「先に制度を導入してから申請する」のではなく、必ず計画認定を受けてから実施する必要がある点です。計画提出前に外部委託契約や支払いを行った場合は対象外となる可能性があります。
参照 | (パンフレット)人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック
受給のポイントは「離職率」
この助成金では、制度を導入しただけでは受給できません。
制度導入後、外国人労働者の離職率が一定基準以下であることが求められます。
具体的には、①外国人労働者離職率が15%以下または②外国人労働者数が2~10人の場合は離職者1人以下であることが必要です。つまり、単なる書類整備ではなく、実際に外国人労働者が働き続けられる環境づくりが重要になります。 ※ただし、「外国人雇用労務責任者講習」を受講し、就労環境整備整備措置の実施日の前日から起算して6か月前の日までの期間に、対象事業所において雇用保険被保険者である外国人労働者を解雇等していない場合は①及び②に該当することについて確認は不要です。
【ポイント】
今回の助成金は、「外国人を雇ったからもらえる助成金」ではありません。外国人労働者が安心して働ける環境を整え、職場に定着してもらうための取組を支援する制度です。 特に、以下の点が当てはまる企業様は活用を検討する価値があります。
- 外国人従業員とのコミュニケーションに課題を感じている
- 就業規則や雇用契約書を外国語対応していない
- 特定技能や技能実習以外の外国人材も雇用している
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まとめ
外国人労働者の活躍は、今後ますます多くの企業にとって重要なテーマとなります。しかし、言語や文化の違いによるミスマッチが生じると、せっかく採用した人材が早期離職してしまうこともあります。
今回ご紹介した「外国人労働者就労環境整備助成コース」は、そうした課題を解消しながら職場定着を促進できる制度です。制度設計や就業規則の整備、多言語化対応などは専門的な対応が必要となる場合もあります。
「自社は助成金の対象になるのか」「どの制度を整備すればよいのか」といったご相談がございましたら、お気軽にA(エース)社会保険労務士法人までお問い合わせください。
なお、以下のフォームから簡単にご相談できますのでご利用ください。

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