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【京都の社労士コラム】毎年恒例のこの時期がやってきました!最新!令和7年度の『健康保険料率』発表!!

2025年03月12日

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A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

 今回は、『令和7年度の健康保険料率』についてご案内します。

 今年も毎年見直しがされる『都道府県単位健康保険料率』が協会けんぽより発表されました。
 この新しい保険料率は3月分(4月納付分)より適用され、任意継続被保険者及び日雇特例被保険者の方は4月分(4月納付分)から変更となります。企業側として健康保険料率変更に伴い、給与計算・控除額の変更対応、標準報酬月額の改定と福利厚生の影響等に注意する必要があります。

 又、健康保険料率は、それぞれの都道府県で違うのはもちろんですが、令和7年度は引上げが28道県、引下げが18都府県と様々・・・
 今回は、その詳細も踏まえてご紹介致します。

都道府県単位の保険料率とは?どうやって決まるの?

 協会けんぽ(全国健康保険協会)の健康保険料率は、毎年見直され、都道府県ごとに異なります。
 健康保険料率は、「必要な医療費や給付費をまかなうために決められる」ものです。基本的な流れは次の通りです。
~健康保険料率の決まり方~

1 医療費の状況を分析
 ●各都道府県ごとの医療費の支出(どれだけ医療を使ったか)や収入(保険料の納付状況)を確認
 ●どれくらいの医療費(病院の診療や薬など)が必要か
 ●出産手当金や傷病手当金などの給付にどれくらい使われるか
 ●これらの費用を、どれくらいの保険料でまかなう必要があるか

2 協会けんぽが保険料率を試算
 ●必要な費用と、加入者(従業員や企業)の負担能力を考慮
 ●その年の経済状況や医療費の伸びを加味して、適正な料率を算出

3 全国と都道府県ごとの料率を決定
 ●全国平均の「基準保険料率」を設定し、それをもとに都道府県ごとの状況に応じて「都道府県単位保険料率」を調整

4 厚生労働大臣の承認を受けて正式決定
 ●協会けんぽが料率を決定し、厚生労働大臣の承認を得た後、新年度(通常4月)から適用

こういった流れで健康保険料率が決まります。
では、なぜ都道府県ごとで保険料率が上がったり下がったりするのか、それは・・・ 

【POINT】都道府県ごとでなぜ違いがあるのか?
協会けんぽの健康保険料率は、都道府県ごとに異なります。これは、各地域での医療費や加入者の状況が違うためです。
主な理由としては・・・
●医療費の違い:地域によって医療機関の数や病気の傾向が違うため、医療費に差が出る。
               例えば、都市部では病院が多く医療費の利用も多くなることがあります。


●加入者の年齢
:高齢者が多い地域では医療費が高くなりがち → 保険料率が高くなる
            若い人が多い地域では比較的医療費が低い → 保険料率が低くなる

●所得の違い:給料が高い地域(都市部等)ほど保険料収入が多い → 料率を抑えられることがある
             平均所得が低い地域(地方)では保険料収入が少ない → 料率が高めになることがある

このように協会けんぽの健康保険料率は、各都道府県の医療費の支出や人口構成を考慮して毎年調整されるため、地域ごとに違いが出ます。
特に、医療費が多くかかる地域ほど保険料率が高くなりやすいという仕組みになっています。

(参考)|協会けんぽ『健康保険制度の概要』


令和7年度の都道府県支部ごとの保険料率

 令和7年度の都道府県支部ごとの保険料率は以下のようになります。毎年の変動があるため、ご自身の都道府県の保険料率を確認しておくとよいでしょう。
 又、令和7年度の介護保険料率ついては、全国一律で令和6年度の1.60%から0.01%引下げの1.59%となります。


(引用)|協会けんぽ『令和7年度都道府県単位保険料率』 

 上記の都道府県支部ごとの引上げ率と引下げ率をそれぞれまとめました。
 大分県は変更なしでそれ以外の都道府県は変更がありました。ご自身の都道府県はいかがだったでしょうか。




健康保険料の額はどうやって決まるの?

 健康保険料の額は、以下の計算式で求めることになり、求めた保険料額は企業と従業員とで折半となります。
【計算式】

毎月の給与:健康保険料=標準報酬月額(※)×健康保険料率

  賞与 :健康保険料=標準賞与額(※) ×健康保険料率


従業員が40歳から64歳までの場合は、健康保険料に上乗せする形で介護保険料が掛かります。

毎月の給与:介護保険料=標準報酬月額(※)×介護保険料率

  賞与 :介護保険料=標準賞与額(※) ×介護保険料率

(参考)|協会けんぽ『健康保険制度の概要』

【POINT】標準報酬月額・標準賞与額とは?

健康保険や厚生年金保険の保険料を決めるための基準となる金額です。実際の給与額に基づいて決まり、
毎月の給与(標準報酬月額)と、ボーナス(標準賞与額)に分けられます。


標準報酬月額:毎月の給与をもとに保険料を計算するための基準額です。
       給与の額面(基本給+手当など)に応じて、「等級表」 から決まります。

  標準賞与額  :ボーナス(賞与)から計算される保険料の基準額で、支給されたボーナスの
        額面から、1,000円未満を切り捨て、その金額を基準にして保険料を計算します。
        ただし、上限額がある(健康保険は573万円、厚生年金は150万円)ので注意が必要です。

会社の給与明細に「標準報酬月額」と「健康保険料・厚生年金保険料」が載っているのでチェックしてみてください!

(参考)|日本年金機構『厚生年金保険の保険料』
     協会けんぽ『標準報酬月額の決め方』


保険料の納付はどうしたらいい?期日はあるの?

 健康保険料は、会社(事業主)と従業員(被保険者)が毎月支払うもので、前述でも触れた通り『折半』となります。
仕組みとしては、会社が協会けんぽや健康保険組合へまとめて支払い、従業員の分は給与から天引きとなります。
【納付方法】
口座振替(自動引き落とし)
 ※口座振替日は毎月27日(金融機関が休みの場合は翌営業日)

金融機関での納付(銀行や郵便局で支払い)

電子納付(インターネットバンキングやATM)
 ※「ペイジー(Pay-easy)」を利用できます。

【納付期日】
 毎月末日


健康保険料は、会社が納付を忘れると、従業員も保険証が使えなくなることがあるので注意が必要です。
それを踏まえると口座振替(自動引き落とし)がオススメです。

 
まとめ
 
健康保険料率の変動は、給与の手取り額や会社の負担額に影響を与えます。年度途中(3月分から)の変更である点、都道府県ごとに異なる点からも本社と支店及び支社の所在地が異なる場合は、料率が変わると給与から控除される金額も変わるため、経営者や給与計算担当者は給与計算ソフトの更新を早めに行いトラブルを防ぐことが重要です

又、会社が健康保険料の納付を忘れると従業員も影響を受けます。健康保険料をきちんと納めないと、困ることがあります。それは・・・ 病院で保険証が使えなくなる(全額自己負担に!)なんてことも!そうならない為に、今一度ちゃんと納付が出来ているか確認をしましょう。
健康保険は「いざ」というときに大切な制度!毎月の納付を忘れずに!


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